「先生は大学を出ているのに、どんだけ時間がかかっているんですか?」
神奈川県の公立高校入試の数学の過去問を解いている時、何度、中学3年生の教え子からこの言葉を浴びせられたことか。この3連休の中の10時間を数学の過去問に捧げた。中学生の問題と言えど、正直、結構難しい。大問が7問ほどあり、私は1問あたり15分くらいかかっている。制限時間は50分なので、とても終わりやしない。
外国人が県内の公立高校を受ける場合、3教科で良い。国語と数学と英語だ。私は数学の先生として、土日、駆り出され、教え子の分からない問題を解き、その解説をしている。だが、私は規則性の問題は特に苦手らしく、解くのに予想以上に時間がかかる上、うまく説明できないので、彼女からのきついつっこみが入る。
「先生はどうやって大学に入ったんですか?」
中国の小中学生は相当勉強熱心のようだ。2か月の夏休みも2週間を残して返上し、学校で補習授業を行う。小学校の授業のほとんどは国語、数学、英語で、この3教科がかなり重視される。彼女の言葉を信じると、勉強のレベルもどうやら日本よりも高そうだ。そこに、私は中国の勢いを感じた。
私が必死に数学の問題を解いている時、彼女は古文の現代語訳を書いていた。中国人が日本の文化に触れている。それを見て、三国志や水滸伝、史記などの物語を小中学校の時に(日本語で)読んでいたのを私は思い出した。