3.01.2009

金持ち父さん貧乏父さん(筑摩書房)

 数年ぶりに『金持ち父さん貧乏父さん(ロバート・キヨサキ著、白根美保子訳、筑摩書房・2000年9月)』を読んだ。
題名の金持ち父さん貧乏父さんの金持ち・貧乏とは精神的にも経済的にもというニ義性をもっている。おもちゃ売場で駄々をこねている子どもに向かって貧乏父さんは言う、『そんなお金はありません』。子どもの思考回路はそこでとまる。一方、金持ち父さんは、『そのおもちゃはどうやったら買えるのか』と問いかける。

また、貧乏父さんは子どもにいう。『いい成績をとりなさい。そうすれば安定した仕事につける』しかし、金持ち父さんは違う。前者の教育がお金のために働くための教育だと否定して、『いい成績をとるのは悪いことではないけど、世の中、どのようにお金が流れているなか学びなさい。なぜたくさん働いているのに豊かになれない人が多いのか考えなさい』と諭す。そして、企業選びはお金や福利厚生で選んではいけないと言う。いかに自分の価値を高められるかを大事にしなさいと言う(独立してもやっていけるような経験を得られる企業=人材輩出企業)。

金持ち父さんは、多くの人が お金に支配されている状況にあることを嘆く。他人(オーナーや株主)のために働いていること。政府の税金のために働いていること。銀行(車や家のローン)のために働いていること。

たった一度の人生。お金のために働きつづけない考え方や生き方もあることをまず知ることは意味があることだ。チャンスは誰にでもある。自分の夢を実現するそのチャンスを活かすことのできる人が増えるのを、この本の著者は願っている。