先日、大阪に行ってきました。定番のお好み焼きを行きつけの(?)お店で食べた。ここのお好み焼きを食べると、他のお店のお好み焼きが物足りなく感じてしまいます。
大学にも訪問しました。次がないかもしれないので、最後の授業と思って、顔を出させていただきました。学生って、勉強できていいなあ。上から言われてやる勉強は、あまりやりたくないけれども。
「即戦力は3年もたない ――組織を強くする採用と人事(樋口弘和著、角川oneテーマ21・2010年12月)」を読んだ。非常に読み応えがあったので一部ですが、抜き出して紹介したい。
●成長意欲の3つのタイプ(73~77P)
「のぞみ号タイプ」 向上心の塊で、周りの環境にかかわらず常に向上心を持ち続け、どれだけ仕事が厳しくても、休みなく猛スピードで走り続けていくことがまったく苦にならない人。仮に、少しラクな仕事を与えた場合には「この程度のことに安住していいのか」と不安を感じてしまいます。社内に10%でもいればいい方。
「ひかり号タイプ」 仕事を頑張りたいと思っているものの、その意欲が周りの環境が周りの環境に左右されてしまうタイプで、組織の約8割を占める。常に上を向いて仕事に臨むのぞみ号とは異なり、仕事にやりがいを見出せずにやる気をなくしたり、上司や顧客に褒められて俄然やる気になったりと、何かしらの要因で仕事に対する意欲が上下する。したがって、個人個人のタイプに合った仕事やアドバイスがあれば、いくらでも伸びていく素地をもっている。その人の適性に合った仕事を選んだり、モチベーションを維持するために褒めたり、構ってあげたりと手間はかかるが、組織の大半を占めている層だけに、最も上司の力が試され、組織力を大きく左右する層であるといえる。
「こだま号タイプ」 仕事を生活の糧と捉え、仕事による成長よりも私生活を大切にしている層。時間内はきっちり働くけれど、できるだけ残業はしたくない、仕事ではあまり背伸びをせずに、自分のできる範囲内でおこないたいうと考えているタイプ。
これらのタイプが必ずしも仕事の成果とイコールになるわけではありません。「ひかり号タイプ」でも仕事の適性や上司との相性が良く、高い成果を上げている社員もいますし、「こだま号タイプ」でも決められた時間内の生産性は極めて高い社員もいます。要はそれぞれのタイプをうまく活かしてマネジメントを行うことが必要だということなのです。
どのようなタイプであれ、目的を理解せずに取り組むのと、理解して取り組むのとではやる気に大きな差が出ます。とくに現在の若者は、自分のキャリアにとってのメリットは何か、自己成長につながるかどうかを気にする傾向がありますので、「きみは将来、商品開発をやりたいと言っていたけど、そのためには最初からデータ分析だけをするのではなく、クライアントの生の声を聞いておくことが大切なんだよ。だから、まずは営業の第一線で経験を積むべきだ」というように、与えた仕事が本人の将来にとってどういう意味を持っているかを理解させておくようにすべきです。(86~87p)
●「他責体質」と「名ばかりリーダー」は要注意
中途採用をする際にまず頭に入れておきたいのは、「他責体質」の人を採用しないことです。この「他責体質」は新しい環境に変わったとしても、ほぼ間違いなく再発する、やっかいなものだからです。
「他責体質」の人の最大の特徴は、とにかく自分に甘いことです。もちろん誰でもそういう部分があるものですが、その程度が普通の人よりもかなり強いのです。これは言葉を換えると、そういう人生を歩んできたということになります。
このような「他責体質」を持つ人は、面接段階でも、その危険信号を感じ取ることができます。
彼らに共通するのは、自分を客観的に評価できないことです。「こういうところで自分は頑張ってきた」と自分視点で物事を見がちで、自分の長所や短所、とりわけ短所の方を客観的に語ることはできないのが特徴です。「評価とはふつう、上司や同僚のような他人がすることだ」という基本が理解できていないといえるでしょう。(104~105p)
●「あなたをよく知る人がここに座っているとしましょう」(116~122P)
面接で私は本当に優秀な人材かどうかを判断するポイントとして、とくに三つの資質を見極めることに注力しています。
その三点とは、「性格の素直さ」「思考のやわらかさ」「情熱(ハート)」です。ちなみに、高度成長時代の三点セットは「素直で明るい」「学歴(偏差値)」「面接官の好み」だといわれていました。しかし、現在は前例のない変化の中で力を発揮して成長を続けていくことが求められるようになってきたため、「素直さ」は従来どおり変わらないものの、「やわらかさ」「情熱」の重要性が増してきました。
●「年収400万円の壁」を超える人の共通点(177~179P)
年収400万円を超えていくためのカギは、「ヒューマン・スキル」と「コンセプチュア・スキル」にあります。
「ヒューマン・スキル」 顧客や上司、チームメンバーなど「他社との関わりのなかで円滑に仕事を進めるために必要な関係構築」に関わるスキルを意味します。つまりコミュニケーションのスキルです。このスキルの高い人は、たとえば営業の場合は相手の人間に興味と好奇心を持ち、相手の視点に立ち、困っていることを解決したいという強い気持ちをあらわします。部下であれば、上司の考えを察しながら先回りして仕事をすることができ、また部下を持つ上司になってもひとりひとりの部下の特性やタイプを理解して対応するといったことができるのです。
「コンセプチュアル・スキル」とは噛み砕いて言うと、答えの無い課題の解決方法を探して実行していく力を意味します。このスキルが高い人がいわゆる「頭の良い人」と言われるわけですが、これは偏差値の高い大学を出ていることとイコールではありません。むしろ暗記中心の受験秀才が苦手とするところであり、好奇心や執着心といった意欲面や性格による部分が大きいと考えたほうが良いでしょう。
「性格の素直さ」を見抜く質問。「あなたのことをいちばんよく知っているのは誰だと思いますか」「その人にここへ来てもらい、あなたに代わってここに座っているものと仮定しましょう。私はその人に対してこう聞きます。私は彼を採用したいと考えています。そうなった場合、私はどんな面で彼に苦労させられると思いますか。こっそり教えてください」
「思考のやわらかさ」を見抜く質問。面接で環境の変化になれているか、理不尽な経験、我慢強く辛抱した経験をどれだけしたかを判定できる質問をしていく。
情熱を面接で評価する際には、その情熱が具体的な行動に結びついているかどうかを確認する。したがって、面接での話題はある程度成果の見えた過去の行動が中心になります。たとえば、目標に対して「そのために現在どういったことをしているのですか?」と現在の行動を聞いてもいいですし、これまでの経験の中で目標を立てて頑張ったこと、苦労したけれどなんとか乗り越えてきたことを話題にしてもいいでしょう。向上心が本当に高い人は、目標を立てた段階で何らかの行動に移しているはずだからです。