10.24.2009

【キャリア】アメリカの就職事情

今、「若者の理想の就職」というテーマで、レポートを作成している。理想の就職をするために必要なのは、キャリア教育とインターンシップ制度の充実である。この2つが若者を理想の就職に導き、日本の活性化に貢献するものと私は考えている。その息抜きにアメリカの就職事情に関する資料(http://job.mynavi.jp/conts/saponet/businessreport/column/4/4.html)を見つけたので、気になる部分を抜粋してみる。

【アメリカの新卒者の就職率:19.7%】
2009年夏にアメリカの大学を卒業する新卒者の就職率は、19.7%と大変厳しい数字となりました。好景気であった2007年の就職率は51%に達していましたが、リーマン・ショック直前の2008年卒では26%と急降下し、今年はそれを更に下回る結果となりました。

【インターンシップの重要性】
2008年の新卒採用者のうち3分の1は「インターンシップを通じて採用した」との回答が出ています。また、76.3%の企業が「自社の事業と関連する就業体験を持つ学生を採用したい」としており、新卒採用にも即戦力を求めるアメリカの企業が、インターンシップや在学中の就業体験を採用選考の際に重要視していることが分かります。また、インターンから採用された社員の定着率も高く、4割近くの企業が「5年後の定着率で、インターンから採用した社員の方がインターン外からの採用に比べて高い」と回答するなど、インターンシップが「採用ミスマッチの回避」や「社員の定着」にも効果が高いと考えられています。通常、アメリカでのインターンシップは学生が「自分の専攻や目指すキャリア」と関連する企業や団体で、社員の指導のもとに2~3ヶ月間の実務経験を積みます。例えば、学生数5万人を抱えるアメリカ最大の私立大学New York Universityでは、学部生のうち、89%はインターンシップまたは在学中の就業経験があり、13%がインターンシップから正社員に登用されています。学生側もインターンシップや就業経験が重視されることを意識して、1年生が修了した夏休みから積極的にインターンをする学生もいますが、3年生の夏のインターンシップが就職に直結する真剣勝負の場となっています。参加する学生達は「自分は本当にその仕事をしたいのか」、「この分野でキャリアを築いていきたいのか」を見極め、企業側も参加学生の中から、有望な正社員候補を見定め、インターン終了後に正社員のオファー(内定)を出すか否かを判断する訳です。

【インターンシップの報酬】
条件面については、数ヶ月間にわたる「生産的就業体験」のため、多くのインターンが実務に従事し、98.6%のインターンシップが有給で実施されています。学部生のインターンの平均時給が2009年で17.13ドル(1ドル=100円換算で1,713円)となっており、深刻な不況にも拘わらず前年の16.33ドルから4.9%アップしています。ビジネス専攻のインターンでは15.93ドル、エンジニアリング専攻では18.26ドルと専攻によっても金額差があり、修士学生となると時給は20ドルを超えます。

【2009年卒 大卒初任給(平均・専攻別) 年収(ドル)】
《全学部平均》
49,307ドル(1ドル=95円換算で、519万円)
《専攻別》
化学エンジニアリング :64,902ドル
コンピューターエンジニアリング :61,738ドル
土木エンジニアリング :52,048ドル
電気エンジニアリング :60,125ドル
コンピューターサイエンス :61,407ドル
情報システム :52,089ドル
会計:48,993ドル
経済:49,829ドル
経営:44,944ドル
ファイナンス:49,940ドル
マーケティング:43,325ドル
人文系:36,175ドル
内定獲得率には、学生の専攻も大きく左右しています。即戦力となる「エンジニアリング系」や「会計学専攻」の学生は内定率が高く、「人文系」では低くなる傾向があります。

【ニューヨーク市立大学のキャリア・センター、デメトリウ氏の学生へのメッセージ】
「現代の学生達は、これからの人生で何度も転職を繰り返し、ステップアップをしていかなければならないのです。不況時の就職活動で、一生安定した職業をと望む学生達の気持ちはよくわかりますが、残念ながら、彼らの人生において、一生安定した同じ会社で勤務できるということはあり得ません。厳しいキャリア人生を歩んで行くには、常に自分の価値は何であるかを考え、世の中の状況に合わせて、正しいキャリア選択をして行けるようにしなくてはなりません」